執筆・連載情報⑤


食品新聞連載(5)

2019年12月11日掲載 1面です。


食品輸出の布石のために②

 

 書き下ろし原稿は下記からご確認ください。


前回、マレーシアの文具ディストリビューターの社長の話をした続きとなるが、日本人はなぜ海外で簡単に騙されるのか。彼の教えの話である。

彼は私のことを老朋友と呼んでくれ、大切にしてくれる。そして「華人と付き合うなら老朋友と呼んでもらえる人を何人作れるか。それが非常に大きなポイントだ。」と教えてくれた。

日本人が海外で簡単に騙されるのは、出会って間もない人をうかつにも簡単に信用してしまうからである。信頼できる人に紹介してもらい、信頼関係を築く前にビジネスを開始しようとするから失敗する、そう教えてもらった。

華人はそんな関係(グワンシ)の世界で生きている。そんな世界に飛び込んでいって初対面で名刺交換して、その後メールしても当然返信は来ない。あなたが買い手であれば話は異なるが、あなたが売り手であれば当たり前の話である。信頼されていないから返信が来ないのである。

彼は中国の多くの工場で文具のOEMを行いマレーシアに輸入して販売した。自分が買い手であるにも関わらずまずは10回食事をして、相手の家族を紹介してもらい、自宅に遊びに行って友人関係を構築してから商売を開始したのである。

この視点が日本人には決定的に欠けている。そのため簡単に騙されるのである。

時間がないときはキーマンとなる相手が信頼している人から紹介してもらう。但し、簡単に紹介はしてもらないので、そこに時間と労力をかける必要がある。

そんなプロセスを省いて名刺を交換して知り合いになった感覚でやり取りを開始しても華人相手の商売では通用しない。

台湾に行くと2つの中国問題ということも注意が必要である。私は2年半台湾に駐在していたが、理解不足からとんでもない発言をされる日本人の方を多く見かけた。台湾の方のパスポートには中華民国と書かれていて自分が中国人と普通に思われている。台湾の方と話をして中国と言えば、中華民国と中華人民共和国の2つがあるので中国と発言するには使い分ける必要がある。

台湾で台湾人に中国・中国と何度も発言し、その発言した中国が実は中華人民共和国のことだった。そんな背筋がゾッとするような発言を台湾に営業に来て平気で話す方が多い。見込み客のアイデンティティーを傷付けるような営業マンは失格でである。台湾の方は、中華人民共和国のことを「大陸(タールー)」と言う。そのため台湾で中華人民共和国の話をするときは大陸と話すことが基本となる。

台湾で中華人民共和国を大陸と呼び、中華民国を台湾と呼ぶことは問題ないが、中華人民共和国を中国と呼び、台湾を台湾というと非常に嫌がられてしまう。初めて台湾に営業に行った初対面の人と話すときは特に配慮が必要である。

台湾で日本食品を手広く取り扱うディストリビューターの社長と懇意にしている。2003年に帰国したので既に16年経つが毎年幕張メッセで開かれるフーデックスのときに来日してくるが、毎回食事を一緒に取っている。台湾では日本の大手菓子メーカーや大手調味料メーカーのディストリビューターをしているが、当時は先代の社長と仲良くさせていただいており、ご子息であった現在の社長とも付き合いが続いている。先代は1990年代には台湾の日本食品の最大手ディストリビューターであったため日本で食事するときは接待で料亭や高級飲食店でばかり食い事をされていた。以前来日された際に、私が日本の居酒屋チェーン店にお連れしたら、こんな店に初めて来たとたいそう喜ばれ、息子をよろしく頼むと話をされたのを思います。その先代も3年ほど前に亡くなり、現在はご子息が立派に後を継がれている。そして毎年元気な顔を見せてくれ、中秋の名月の時期には決まって月餅を送ってきてくれる。

華人の方は信頼していただき仲良くなると本当に義理堅く、色々な人をどんどん紹介してくれる。

そんな華人の世界でビジネスをするには最初に本くらい読んでから海外に赴任するように当時は教えられてきた。「中国人との関係の作り方」「グワンシ(関係)」というような華人と付き合う方法について記載さてた本を最初に読んでから海外ビジネスをスタートすると色々うまくいくのでお勧めしておく。

 


食品輸出、海外販路開拓、海外向け商品開発をテーマに、講演やセミナー行います。講師の出張派遣も行います。また個別コンサルティングについても、お気軽にこちらからお問い合わせください。


食品輸出 実務と実践塾を開催予定です。ぜひこちらからご確認ください。


食品の輸出や海外展開をご検討されているなら、まずは下記のE-BOOKをダウンロードいただき基本知識のインプットからスタートしてください。