執筆・連載情報⑩


食品新聞連載(10)

2019年12月23日掲載 1面です。


食品輸出 誰に・何を・どうやって売るか?


 

 書き下ろし原稿は下記からご確認ください。


海外で自社商品を本格的に売るなら、戦略を立てる必要がある。戦略と言うと難しいが簡単に言えば3つをはっきり明確にすることである。

それは「誰に売るか?」「何を売るか?」そして「どうやって売るか?」ということである。

「誰に売るか?」ということを考えても、どんな企業に売るのか?どんな消費者に売るのか?どの国やエリアに売るのか?

そこを最初にはっきりさせないと後の対応が変わっている。それをはっきり決めないでいきなり営業に行くから、そもそも輸出できない商品や海外で受け入れられない商品を営業してしまい成果が上がらないのである。

まず「誰に売るか?」であるが、どんな企業に売るのだがこれは答えはほぼ2つにである。『日本国内の輸出商社』と『海外のディストリビューター』この2つが主なターゲットになる。

ディストリビューターには日本食品を取り扱うディストリビューターもあれば、日本食品を取り扱っていない日本以外の輸入食品を取り扱うディストリビューターに日本食品を提案する方法もある。酒や生鮮の専業ディストリビューターを狙う方法もあるのでしっかりどんな会社に売るのか検討をしておきたい。

次に、どんな消費者に売るのかだが、欧米の高所得者に売るのか、アジアの富裕層に売るのか、今後爆発的に人口が増えるアジアの中間層に売るのか、現地の日本人に売るのか、誰に売っていくのか決める必要がある。

日本の店頭価格の2倍や3倍の値段の商品が本当に現地で大量に売れるのかしっかり検討した上で、無理だと思うなら現地OEM製造などの対策を講じる必要がある。

そして、どんな国やエリアに売るのかだが、輸入するのにハードルが高い国と低い国がある。香港やシンガポールやマレーシアやカンボジアは規制が少なく比較的商品が入りやすい国である。そんな商品が入りやすい、ある意味、競争の激しい国を狙うのか、インドネシアのような規制が厳しく競争が少ない国を狙うのか、どの国を中心に狙って成功事例を作るのかを決める必要がある。

「誰に売る?」というだけでも検討することは多いが、次の「何を売るのか?」ということは更に奥が深い。

小売用商品を売るのか業務用商品を売るのか。

日本で売っている商品をそのまま売り付けるのか、海外用に開発した商品を売るのか。

日本の消費者向けに設定した日本の賞味期限を付した商品を売るのか、海外の消費者を意識してCODEXで言うところの有効期限表示(最終消費推奨日)を付した商品を売るのか。

食品添加物は日本対応のままで輸出できる国を狙って売るのか、食品添加物をグローバル対応して世界に向けて売っていくのか。色々事前に決めておく必要がたくさんある。

そして、「どうやって売るのか?」ということだが、輸出商社に売るのは国内営業をすれば良いだけである。JETROさんのサイトに輸出商社情報が掲載されているので、しっかり準備してアプローチをすれば良いだけである。商品が魅力的であれば、間違いなく売れる。魅力的というのは、食品添加物と賞味期限のグローバル対応できていて、価格がリーズナブルということである。しかし、海外のディストリビューターに直接売るには、色々準備が必要になる。

海外PL保険へ低コストで加入すること、国際売掛取引のリスクヘッジのための保険へ低コストで加入すること、売手が強く相手がついついサインしてしまう売買契約書を準備すること、多言語での商品提案書の準備などである。そういう準備をしっかりした上で営業をする必要がある。

「どうやって売るのか?」ということに対する一つの例がある。私の友人にケルビン君という華人がいる。菓子製造メーカーの跡取りで、オーストラリアに留学しその後父親の会社に入社した。担当したのは海外販売である。

部下なしで1人で海外自社商品を売るという仕事が任され、最初は展示会に出展していたのだが、効率が悪いため直接ディストリビューターに営業するスタイルに変更し、3年で60ヵ国・地域にコンテナ単位で自社商品を輸出するようになった。

私はこのケルビン君と仲良くなり彼の営業方法を3日間かけて聞き出した。そして5年ほど前、マスコミの方にその対談を聞いていただいたが、話のレベルが高すぎて記事にできないということだった。

しかし、考えてみると現在は行政の支援も充実しているし、特に難しいことではない。難しいのは、最初に食品添加物と賞味期限をグローバル対応し、リーズナブルな価格の商品を現地で販売できる仕組みを作れるかどうかということである。

 

まだまだ色々と述べさせていただきたいが、来年の連載で詳しく説明させていただきたい。「食品輸出実務と実践塾」と検索いただくと来年開催予定の塾についてご案内しているのでそちらもご確認いただきたい。

 


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