執筆・連載情報⑪


食品新聞連載(11)

2019年12月25日掲載 1面です。


食品輸出 食品メーカーの海外戦略


 

 書き下ろし原稿は下記からご確認ください。


食品メーカーが本格的に海外展開することを考えると、過去の食品輸出の歴史を知っておく必要がある。食品メーカーの海外展開の歴史はある意味、キッコーマンさんの海外展開の歴史と言える。キッコーマンさんの取り組みは書籍にもなっておりネット上で記事にもなっているためぜひ確認していただきたい。

醤油という調味料はもともと世界では全く認知されていない日本独自の調味料だった。それをメニュー提案や試食に力を入れられて普及をされたことは素晴らしいことであり、とても参考になる。海外で認知されていない日本の食品を売るのは本当に大変なことである。

既に認知されている商品と認知されていない商品では海外に売っていくにはハードルの高さ・難易度が全く異なる。例えば、お菓子と言えば世界中お菓子だ。どこでも誰にでも認知されている。青汁やフリカケなど、そもそも海外では全く食べられていない商品は全く海外では認知されていない。

その商品がいったい何なのか、そこから説明する必要がある。既に知られている(認知されている)商品と認知されていない商品を売っていくにはそれだけ認知してもらうことに労力を使う必要がある。

マレーシアでは「サンバル」という全国民が大好きな調味料がある。日本なら麺つゆのような存在である。麺つゆは、どんな麺にもかつ丼や親子丼や料理調味料としても使える万能な調味料だ。サンバルもそんな感じのものなのだが、例えばこのサンバルを日本に輸出しようとするとそもそもサンバルって何なのか。どうやって使うのか。どうすれば料理に使えるのか。認知されていない商品を輸出するにはそんなことも考える必要がある。

食品メーカーが海外展開を成功した事例を記載した本は多いが、成功事例には共通点が2点ある。

それは「最初は輸出をして市場を確認したこと」「本格展開時は自社工場を海外で設立し内販しただけなく周辺国への輸出に取り組んでいること」である。

私がマレーシアで勤務し、海外で初めてトップバリュ販売を開始したのが1995年の当時のジャヤ・ジャスコのバンダウタマ店の開店の時である。

私はイオングループで初めて海外でトップバリュを販売した。当時はバンダウタマ店の食品の責任者と日本食品の仕入バイヤーを兼務しており、自分で調査し西濃運輸さんと組んで日本からコンテナでトップバリュを混載してマレーシアに輸入し、輸入ステッカーを自分で1枚ずつ商品に貼りながら店頭に並べて販売した。トップバリュは価格が安く大人気商品となった。トップバリュのマヨネーズやインスタントラーメンは市場価格の半額以下だったのでケース単位でどんどん売れた。

その後2018年までイオンで海外の仕事に勤務しながら多くの食品メーカーの海外展開を見てきたが、食品メーカーの海外展開は3段階で行われることが多かった。

第1段階は「輸出」であり、第2段階は「現地OEM製造販売とブランド浸透」であり、第3段階は「法人と工場設立による本格進出」となる。

第1段階では、①輸出の本格的な取り組みを開始。②できるだけ多くの国への輸出しながら各国の市場を把握。③本格参入するターゲット国を決定し、代理店を開拓して代理店との絆を深める。

第2段階では、④ターゲット国で自社ラインを確保しOEM製造を開始。ターゲット国で本格的な販売を開始してブランドの認知を進める。ターゲット国の周辺国で代理店を開拓し輸出販売を開始。次の段階を見据えターゲット国に駐在員事務所を設立。

第3段階では、⑧ターゲット国で法人を設立し、販売している商品の自社配送を開始して自社物流網を整備。⑨ターゲット国に自社工場を設立し、製造した商品を自社物流網に乗せる。⑩ターゲット国で製造した商品を周辺国への輸出を開始。⑪日本からの輸出実績を確認しながら新たなターゲットとなる本格参入国を決め、その国で代理店を開拓。

そしてそれを繰り返し、ターゲット国を増やして世界に商品を広げていく。そんな形で世界展開を進めていく食品メーカーが多い。

しかし、第1段階はあくまで輸出であり、世界戦略の最初の段階は輸出なのである。輸出は終わりではなく、あくまでその先に世界展開があることを意識する必要がある。

 

そうして世界展開戦略を考えた上で輸出に取り組んだ企業に世界市場を攻略する機会があるのである。

 


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