執筆・連載情報⑳


食品新聞連載(20)

2020年2月3日掲載 1面です。


食品輸出 世界に食品を売る方法・まとめ


 

 書き下ろし原稿は下記からご確認ください。


 今回は食品新聞社さまにご縁があり、20回の連載をさせていただいた。

 

最終回である今回は海外展開を成功するための行動(結論)1点に絞り、まとめとさせていただく。

 

海外展開を成功するかどうか最大の要因はズバリ「海外で売るための商品開発」である。

 

実際、食品輸出商社は常に商品を探している。輸出できる・海外で売れる商品を現地のディストリビューターから頼まれていつも探しているのである。

 

それは競争である。例えば1つの国に日本食品を販売するディストリビューターが10あったとする。日本には10以上の食品輸出商社があり、ディストリビューターは売上を増やすために新商品を探している。食品輸出商社も同じである。その取り組みが世界数十か国で行われており、海外で製造した商品を海外に直接輸出する3国間貿易も盛んに行われている。

 

それではどんな商品が求められているか?それは海外で売れる商品である。①輸入できる商品であり、②充分な販売期間がある商品であり、③価格的に魅力がある商品であり、④魅力的なパッケージの商品である。

 

そんな商品をみんな探している。逆に言えばそんな食品を商品開発できれば、海外で売れることは間違いない。

 

「①輸入できる商品」とは、多くの国で販売できる食品添加物で作られた商品である。日本では828(指定添加物365・既存添加物463)の添加物の使用が認められている。世界の主要18ヵ国/地域で認められている食品添加物は213~516の間である。認められた添加物の数は日本が圧倒的に多いのである。

 

そんな日本のルールで作った加工食品が簡単に海外に輸出できないことにそろそろ日本の食品メーカーは気づくべきである。

 

例えば、着色料の赤なら何を使えば多くの国で販売できるのか?保存料なら何を使えば多くの国で販売できるのか?そんな当たり前のことを考える時期に来ている。

 

当社が作成した「食品添加物グローバル対応ガイドライン」を読めば、海外で広く売るにはどの食品添加物をどういう考えで選べば良いのか、香料にもどう対応すれば良いか、簡単にご理解いただける。

 

「②充分な販売期間のある商品」とは、一定以上の販売期間のある商品である。6ヵ月・9ヵ月・12ヵ月・18ヵ月と販売期間が延びるほど輸出できる国は広がっていく。長い販売期間にどう対応していくか。CODEXで言うところの賞味期限で日本人向けに対応していては海外に売る販売期間は確保できない。CODEXで言うところの有効期限(最終消費推奨日)を海外の方を意識して設定する必要がある。

 

既に海外展開をしている大手食品メーカーはしっかり日本と海外で考え方を分けている。海外の方に売るなら当たり前のことである。

 

「③価格的に魅力がある商品」とは現地の方、特にこれから爆発的に人口が増えるアジアの中間所得層の方が購入できる店頭価格を実現することである。

 

現地の小売業のFPチャート(価格構成グラフ)の中にしっかり入る価格にする必要がある。そしてそのためには海外OEMという手法も検討する必要がある。

 

「④魅力的なパッケージの商品」とは主にアジアの方や海外の方の好きな要素を取り入れたパッケージである。

 

英語(ローマ字)のブランド名と商品名とセールスポイントが記載され、華人の方が理解できるように漢字を意図的に使用し、ネオンでビビッドな色や金色など高級感のある色使いをしたパッケージである。そして大きめの箱に入っていれば尚良い。

 

そんな商品を開発できれば、引く手あまたとなる。商品を最初に作るのではなく、現地のディストリビューターや食品輸出商社の意見を聞きながら商品開発することをお勧めする。

 

海外での商標登録も忘れないようにする必要がある。

 

海外には日本市場より遥かに大きな市場がある。そこに商品を売っていくには、日本向けに作った商品をそのまま海外に販売する、という簡単なことではない。しっかり海外で売れる準備をしてから海外に向けて売る必要がある。

 

食品を輸出するのはあくまでも第1段階であり、第2段階は海外でOEMで商品を作り海外で売る。そして海外に工場を作って現地で売るという第3段階へと取り組みは続いていく。第3段階のハードルは非常に高いが、第2段階のハードルは決して高くはない。

 

そんな取り組みを同じ志を持つメンバーで一緒に取り組む塾「食品輸出実務と実践会」を食品新聞社さまと共催で4月に開校予定である。一緒に取り組む食品メーカーを募集しているのでぜひとも食品新聞社さまに問い合わせて欲しい。

 

最後に「日本食品を世界で売る会」のサイトを見ていただければ、今回の連載で記載した様々な情報を無料で公開している。参考にしていただければ幸いである。

 


食品輸出、海外販路開拓、海外向け商品開発をテーマに、講演やセミナー行います。講師の出張派遣も行います。また個別コンサルティングについても、お気軽にこちらからお問い合わせください。


食品輸出 実務と実践塾を開催予定です。ぜひこちらからご確認ください。


食品の輸出や海外展開をご検討されているなら、まずは下記のE-BOOKをダウンロードいただき基本知識のインプットからスタートしてください。