執筆・連載情報⑫


食品新聞連載(12)

2019年12月27日掲載 1面です。


食品輸出 海外に何を売るのか?


 

 書き下ろし原稿は下記からご確認ください。


「海外に何を売るのか?」と考えるときに、大きなポイントが2つある。1つ目は、小売用商品を売るのか、業務用商品を売るのか、というポイントである。2つ目は、国内で販売している商品を売りつけるか、海外専用商品を開発して売りこむか、というポイントである。

1つ目のポイントだが、日本国内の食品市場の小売用と業務用の比率は大まかに2:1と聞く。海外への輸出はその逆で、1:2となり、業務用食品の市場が圧倒的に大きい。これは大手輸出商社をはじめ食品輸出商社と海外のディストリビューターにヒアリングしたイメージであるが、どの食品輸出商社も飲食店向けの食品を多く輸出している。それは世界に日本食レストランが増えているからである。輸出商社に営業するのであれば、小売用商品だけでなく業務用食品も提案したいものである。

2つ目のポイントの海外用の商品を開発するかだが、海外用商品を開発しないと、輸出市場は極端に小さくなる。海外専用商品を開発する食品メーカーは一定数あり、海外市場で見ることができる。国内では幕張メッセの食品輸出EXPOで見ることができる。

海外の日本食品のディストリビューターに何度も訪問して営業をしてきたが、ディストリビューターが求める共通点がいくつかあるのでポイントを5点紹介する。

1つ目は、日本語が読めない現地の方を意識することである。最初のポイントは「ローマ字と漢字をたくさん記載すること」が重要となる。ブランド名も商品名もそうだが、いったいその商品が何なのか、できるだけ分かるように英語やローマ字をたくさん入れて、更に漢字を多く使うことがポイントである。中華系の人は漢字を理解できる人が多いので、ローマ字と漢字を多用すると喜ばれる。中華系の方は日本の「の」を理解される。日本の「の」を理解される理由はこうである。「日本の心」を中国語にすると「日本的心」となり、中国語の「的」と同じで「の」という字を使うということを理解されている方が多いから、「の」という字が受けるのである。また、インドネシアの方は日本のカタカナをかっこいいと認識されたりもする。狙うエリアによって色々検討していただきたい。

そして2つ目のポイントは、「日本製(Made in Japan)と入れること」である。本当に日本で作っているなら、堂々と「日本製」「Made in Japan」とパッケージに入れる。せっかく日本で作った商品なのだから、JAPANブランドを最大限活用すべきである。

JAPANブランドは日本の全メーカーが使用できる最強のブランドである。有効活用しない手はない。

3つ目のポイントは、「作り方・食べ方を記載すること」である。お菓子は世界共通でお菓子である。認知されている。しかし、認知されていない商品を売る場合は、その商品はそもそも何なのかをパッケージで伝える必要がある。どうやって使って食べたら良いのか、完成形(食べる直前の状態)から想像して、何と何を使い合わせたり、どういう順序で作るとと美味しく食べられるのかを図入りで記載するのである。

インスタントラーメンなら、海苔やメンマやナルトやネギがのった状態で写真を撮ったり、作り方を説明する必要がある。特に海外のインスタントラーメンはチキンラーメンタイプのお湯をかければできあがるインスタントラーメンがほとんどで、煮込んで食べるラーメンは主流ではない。作り方からしっかりパッケージで教える必要がある。そうしないと現地の方は食べ方が分からないのである。

そして4つ目は色使いである。東南アジアでは、ネオンでビビッドな色が喜ばれる。蛍光色で明るい色である。派手目で高級感があるパッケージで更に大きなパッケージのほうが喜ばれる傾向がある。なお中華人民共和国では偽物がよく登場するので、日本のままのパッケージが喜ばれる。そこは検討する余地があることもご案内しておく。

そして5つ目のポイントだが「ブランド名とブランドロゴ」である。海外に商品を売るには海外の人が読めるブランド名とブランドロゴが必要である。現地の人が読めるブランドでないと口コミやリピートが起こらないからである。

その商品を気に入って、もう一度購入したいと消費者が思ったとする。しかし、その商品のブランド名も商品名も店員に伝えることができなければ、店頭で商品のことを聞くことも、友人に商品の良さを伝えることができない。そのため口コミが全く発生しなくなる。海外で売る商品にはローマ字のブランド名とブランドロゴが必ず必要になる。

 

ベトナムの大手日本食ディストリビューターの社長は、日本食品を取り扱うかどうか意思決定する際の大前提として「ローマ字のブランドロゴの有無」を条件に上げていた。日本で売っている商品をそのまま海外に売ろうとしても難しいのはそんな理由があるのである。

 


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